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宇宙人との交信「メッセージ」

 

映画「メッセージ」をUNEXTで観た。
宇宙人がやってきたら前線は地味な場合もあると思った(笑)

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目的を持たない生命体との交信

宇宙人との交信SFは「ソラリス」とかを思い出す。この小説だと、育っている最中の宇宙生命体ソラリスとの交信を行う。この宇宙生命体は人間で言う赤ちゃんみたいな時期で、惑星そのものが1つの生命になっている。

人間は交信を行おうとする、しかしコミュニケーションを取ることが出来ない。赤ちゃん宇宙生命体が虫と戯れるような感覚で人間と交信を行い、最終的には人間の精神が潰れてしまうというお話。高度な知能を持った生物ほど「遊び」を行うというのを思い出す物語だった。

映画版では報われる話になっているのだが、小説版だと最後までホラーで、睡眠時に脳みそをスキャンされて、最高の思い出に纏わるコピー人間を作られて現実で白昼夢を見させられながら宇宙生命体の研究を行うという話だった。

 

「メッセージ」に出てくる宇宙人は目的を持っている?

そんな一方で、映画「メッセージ」に現れる宇宙人は明らかに目的を持っていそうだった。持ってなかったらバッドエンドになるぞとドキドキしながらも、半分ホッとしながら見れた(笑)

その目的は3000年後に訪れる地球の終末を防ぐための更新だったようだ。多分そう解釈した。※他考察見ると、宇宙人側が助けてほしいという解釈なんかも見られたから、何か見過ごしてたかもしれない。

努力が報われるパターンのSFなので見返しても良いSFだと思った。

 

何故、好きに未来に行けるようになったのか?

なぞい、、、仮説として考えているのは、言語を理解することで思考を学ぶという伏線があったので、宇宙人が使っていた時間を超越する言語体型を理解することで追体験することが出来たという解釈かな。

外国語を学ぶのが得意な人は、同様にプログラム言語を学ぶのも得意みたいなのを思い出す。

言語はイメージを伝えるための道具なはずなので、宇宙人から学んだ言語から今までにない高濃度なイメージ交換方法と思考方法を入手したのだと思われる。

けど、思考方法を身に着けただけで同時に未来に存在できるとかが分からんすぎる。時間が一方通行でなくなったという事なんだろうけど、その場合は因果関係が崩壊するんじゃないか、、とか。だって、この解釈だと宝くじ当てまくれるじゃん。数学者デカルトの「我思う故に我あり」という、時間が一方通行だから通用した論理が破綻するくない?、、、と。

後は娘が癌になることが分かっているのなら、予め検査させるくないかとか。

 

間違った解釈だったら嫌だから、また他の人の解釈とかもこの後に知ってみる。

 

※以下は、他の考察を見たあとの追記

未来が見えるというのは、自分が生きてから死ぬまでの未来だけじゃないというのがあって、なるほどと思った。

つまり、どれだけあがいても未来は収束する形に誰かに不幸が移るだけなのではないかみたいな発想に至れると。

そうか、、シュタインズゲートとかの発想で行くなら「それでも自分は愛する人のために世界の運命を上手く噛み合わせる!」みたいな話になるところだけど、特にはやらない感じなんだろうな。シュタインズゲートとかも、今思えば非ゼロサムゲームだったなと思ったりする。あれは個人が個人的に大切な人を救うために奮闘してやっていて、結果的に第三次世界大戦も回避できているし。

個人的には、運命はあるけれど三次元的、四次元的発想があれば、都合の良いように運命をズラせると思っているタチだったりする。

誰かの不幸を回避したら別の誰かが不幸になる運命があったとしても、ある1点において全員が不幸を回避することができるように噛み合せ方を変えるというか、調整するというか。そういうの有るんじゃないかね、と。

かなりの体力(エネルギー)と知恵が入りそうな気はする。「運命の輪」ならぬ、「運命の量子コンピュータによる最適化問題の解」だったりしてと。最適化問題というか、この何を問題とするかというのが結構大事なんかなと思ったり。運命さえも作れるんじゃないかと考えたりする。

https://september36.hatenablog.com/entry/2018/08/06/130000 新しい価値観というか、対話によって生み出される秩序というか。そんなイメージ。ここら辺を今後の創作にぶち込みたい、、

 

アイデアとして貰ったもの

でも、そんな細かいことを置いておけるくらいにテーマとして伝えたいことアイデアは良いなと思えた。

このテーマは

  • 宇宙人が侵略しに来たら世界が一致団結するよね

ではなく

  • 宇宙人が平和を前提として重要情報を渡すと言ったら世界が一致団結するよね

という、1つの交渉物語だった。

 

非ゼロサムゲームが出てきたのも面白かった。個人が得をすることが周囲も得をすることに繋がるという発想。

「利己的な遺伝子」を読んでいた頃に、ゲーム理論について調べていたのを思い出す。「囚人のジレンマ」とか「交渉可能だったり、環境が調整されているなら、お互いが得になる協力を行う」

  • 基本は協力
  • やられたらやり返す
  • やり返し状態から、たまに協力を切り出す(協力関係になれば得)
  • やり逃げ(復讐されない場合)

という戦略が、ゲームでは一番強いとかを思い出す。非ゼロサムゲームというのはあまり考えたことが無かった。

 

確かに個人が得をして、同時にみんなも得になるなんて事があれば良い。それは協力するとか競争するとかの関係性ではなくて、「個人が報酬を得て分散して与える」という流れが個々人で確定しているときに起きるはずだ。つまりは、個々人の周囲への無償の愛みたいなのが連鎖されるみたいにも読み取れる。

こういうメッセージ性が読み取れて、めちゃくちゃ良いなと思った。やるじゃんと。

 

この表現は実際に非ゼロサムゲームという単語が出てくることで表現されるし、他では中国の上将に妻からの愛の言葉を電話で伝えると言う事で表現していたりする。あの時を思い出して心を和やかにさせてみたいな感じだ。

もっと言うなら、未来で生まれる娘との愛情関係が時間を超えて存在し続けるという描写で表している。未来を思い出すことで精神的なエネルギーになっている。端的に言うなら「リア充爆発しまくって世界平和になれよ」という発想だな。*1

何というかインスタでリア充幸福アピするという発想とは違くて、自分の中にある「愛」を連想させる経験を大事にしなよという感じだろうかな。それに特化した言語ぽい。

 

、、と考察していると、この宇宙人が持っていた言語は、協力関係になることを念頭に置いた言語体系だったのかな?とかふと思ったりした。対象が痛みなく構築されることを願った言語というか、愛そのものをテーマにした言語みたいなもんかなと。

あと宇宙人は複数言語を持ってそうだなと感じた。

 

気になったこと

宇宙船が北海道に落ちたら日本はどんな反応するのかが気になった。

個人的には、そうだな、、、

  1. 侵略、植民地化
  2. 友好関係を結んでの一体化
  3. 目的なし

の3種類だと考える。

そうして、1番目の場合は諦めるしかないと思う。高度な技術を持っていたら敵わないだろうと。この場合は明確に攻撃してきたら逃げて隠れるかな。

2番目の場合も諦めるしかないと考える。寄生獣のミギーみたいに、その星の生命体に寄生して新しい生命体となるとか防ぐの無理だろうし。この映画は見方を変えると2番だったりはする。宇宙人が持つ言葉自体が意志を持っていると見なせば、これは「言葉の侵略と融合」だったとも言える。

3番目も諦める。触らぬ神に祟りなしで、、

諦めるしか択無い気がする。国としては、もしもの時に備えて、武装しながら対話をはかって目的を聞き出すみたいな発想にはなりそうな気はする。明治維新の文明開化みたいな感じで、学べるなら相手の言語なり文化なりを学ぶというのが最終的に1になるのを防げる手段な気もする。

劇中だと伝えること伝えて消えちゃったけど、どこに消えたんだろう、、やっぱり多次元説かな。

タコ星人

タコが自然淘汰で進化したら、あんな感じになるんかね。宇宙を漂うタコ星人か。

タコ星人が人間の陰謀論信者によって一体お亡くなりになったのが少し残念だったな。

*1:夫を愛しているような描写が劇中で描かれなかったから、ここには娘を思うパワーが主なのかなとかも思った。