人体実験は恐いね「アルジャーノンに花束を」

 

愛に関する話しかと思いきやドキュメンタリーSF小説だった。知能が高まる薬を投与して、賢くなったが、失敗作だったので、知能がまた下がってしまった話だ。

物語を通しての感想

人体実験は恐いね

もしこれが事実であったなら、安全性が確かめられていない人体実験は恐いなと思った。チャーリィはIQを高める薬を与えられて、知能が高くなるのだけど、最終的にはIQが元に戻ってしまう。ただでさえ知能が高くなったことで環境への情報量の多さに戸惑っているのに、追い打ちをかけるように自分はまた知能が下がっていくことに気づいてしまう。

この物語の根幹は、非道な人体実験に由来するものが8割ほどだ。「こんなことしてしまう世の中にはなりたくないね~」「人をモノとして扱うなよ!」って話かな。

過去の自分を毛嫌いしてしまう

後半のシーンで、過去のIQが低かった自分が現在の自分を見ている、という妄想に取りつかれていき狂気に陥る。そして、過去の醜い自分を罵倒して、現在の自分に嫌気がさすようになる。

もし、過去の自分が見えたとしたなら、その自分を迎えてやればいいのにな。過去の自分をそのまま否定することは、結局は現在の自分を否定することに繋がるのだから、継続していること変化していることを見つめればいいのに。それだけでいいのにな。

 チャーリィはストーリーテリングをしている最中だったのだろうな。

september36.hatenablog.com

愛だけではなく、共通価値観も必要ではないか

肉体関係のみによって充足を得るチャーリィとフェイには共通点が無さすぎた。ふたりの距離は日常が進むにつれて離れていくようになる。長続きするカップルと言うのは、共通の趣味を持っていることや、笑いの場所が似ていることがある。フェイは「ダンス、芸術」でチャーリィは「研究、数学」だった。

最後の方で妹のノーマと会うシーンがあり、過去を回想する。これがチャーリィの求めていた共通の価値観だと思った。

チャーリィはどうしたら良かったのかを考えた

冒頭で、作者から「知識は人と人との間に楔を打ち込む」と問題提起についてのネタバレから始まる。

  1. チャーリィが知的しょうがい者から、特殊な薬で全知全能人間になる
  2. 人との間に楔を感じて葛藤する:今までの周囲からの反応は、自分を好きで仲良くしてくれた訳ではなく、蔑んで優越感に浸るためだったと知る。周囲はチャーリィが自分よりも賢くなったことに困惑して気味悪がる。
  3. 同じ境遇のアルジャーノンに共感する

この後に、チャーリィがしたら良いと思ったのは、チャーリィのことを知る人がいない町で新しく人生をやり直す事かなーと思う。今までのチャーリィに関わってきた人を許す寛容さを得るのも、復讐心を抑えるのも、別の町でやればいい。破綻している人間関係を修復するよりも、まだ築かれていない人間関係を新しく作る方が、労力は楽に済むからだ。

新しい体験を探して動きまくって、過去をグズグズ考えなければ幸せになれるよ!

2000人に聞いてわかった「幸福な人と不幸な人」を分ける3つの特徴:https://yuchrszk.blogspot.com/2018/01/2000.html

それと関連したもの

頭がいい人は孤独な方が幸せになれる(少ない友人で良いということ)

友達いない方が幸せな人の条件とは?:https://daigoblog.jp/intelligence-friends/

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190527/k10011931021000.html

これを念頭に置くと、チャーリィは賢くなっていくと、新しい趣味を手に入れて、新しい知識の探求に夢中になっていき、幸せを掴んでいくようになってもおかしくない。実際に、研究に没頭しているシーンもあるし、妹のノーマンとの会話で「旅行に行く」と語っている。

知能が高くなったままであるなら、チャーリィはHAPPYENDに進んでいた。

知能の高さは、精神的な豊かさを表してない

 冒頭で作者が語っていることに対しては賛同する。

現在の学校教育では、高いIQをもつ子どもたちに褒賞を与える傾向にあるので、高いIQの子どもたちは、IQ以外の社会的、感情的、常識的知能を磨こう、という気が起きにくく、不幸な結果になるのでしょう

参考:https://www.vice.com/jp/article/paq7ng/only-stupid-people-have-lots-of-friends

この記事は、論文ベースと言うよりは科学者のひとつの見解なので参考程度に収めとこう。IQが人間の生活を豊かにするひとつの要因に過ぎないのは確かだと思う。それのみが重要ではないはずだ。

  • 批判的能力:ものごとが論理だっているのか考える能力(暗記力とは別)
  • 創造力:新しい方法や価値を生み出す能力
  • 感情知性:思いを言葉で表現する能力

あたりが生活をする上で大切になるかなと思っている。これは生まれながら手にするものではない。また実際に行動する回数も大事になってくると思う。個人の見解なので悪しからず。

どれだけ高性能なPCを持っていたとしても、中に入っているアプリケーションが使いにくいものであるなら、性能は低いが良いアプリを入れているPCの方が使いやすいという話に似ているかな。