「グレイテストショーマン」の感想

ショーを観た時の興奮に近い。ダレンシャンを読んだときの感情に近かったかな。もっとファンタジー要素ありありだったけど。小学生の頃に行ったサーカスのうる覚えの記憶も思い出した。映画で、サーカスを観てる気分だった。
公式サイトのトレーラー映像と、劇中で流れていた曲も合わせて楽しむと倍楽しめる。

 格差について取り上げている

この物語は格差を取り扱ってた。バーナム家においては屋敷育ちの妻と貧乏育ちの夫。フィリップとアンは、貴族階級と黒人差別について。
自負と偏見」でも屋敷育ちの人が何でもない人と駆け落ちするのは酷いことだと書かれていたし。ココシャネルの伝記でも、ココは貴族の出ではないから貴族と遊んだり恋をしても結婚までは出来なかったと書いていた。この時代の格差の想像がつく。今でも有るのだろうね。

ストーリーとして

 パフォーマンスを楽しんでもらうサーカスの結成を中心に置いて、バーナムの行方を楽しめた。半面、ミュージカルの部分に気を持っていかれてストーリー考察とか全然してなかった。注意深く見ていなかったので感想が単調になってしまう。明るい映画を見ると、考察をそっちのけさせるよう脳が設計されてるから仕方ない。
自信家のバーナム
博物館を買って儲からなくて、リンゴを見て、助けてもらったことを思い出して、サーカスを作る。……なんて自信家だ。最初から最後までバーナムは自信家だ。そのおかげで邁進出来たし。そのせいで転けたと言っても良い。
 
サーカスは繁盛した。劇の構成を考える手腕があるとは……どこで培ったんだろう。日常的にミュージカルしてるからとか?少年から成人になるまでに仕事でパフォーマンスを試されてた?酒場で計算されたパフォーマンスを楽しんでた?とにかくアイデアがよく出たな。前々から計画を練ってた可能性はあったろう。妄想かもしれないけれど、それが現実に落とし込まれれば機能する。
 
自信家の人は行動数が多いから、失敗したときにしっかり学べば化ける。とにかく行動して学べという価値観だろう。絶好機会を逃すこともしないだろう。人には人に適した生き方があるものだ。
慎重派のフィリップ
途中からサーカスに参加したフィリップは、慎重で型を重視する人のようだった。この組み合わせは見どころだ。現に、バーナムがサーカスの再建を諦めていたところに、フィリップの資金によって建て直される。The other sideの歌詞で最後に念押しのようにフィリップが「So if you do like I do」「So if you do like me」と歌っているのが付箋だったのかなと思った。ただの後付けバイアスかもしれないが(笑)バーナムはバーナムでアイデアを練るためには「to the other side」を常に見続ける必要はある。その起点でテント型のサーカスのアイデアがうまくハマったと見ている。
バーナムと奥さんの関係
A million dreamsの歌詞にあるように、奥さんは前から一緒に夢を見ることを望んでいた。そういう意味では、サーカスによって儲けたお金で買った屋敷は必要のないものだったのかもしれない。博物館を買うときに海底の海賊船を担保にしていたけど、これでは屋敷が沈んだ海賊船のようだ。屋敷が差し押さえられたのは対比のように思えた。
 
バーナムはサーカスに熱を入れすぎて、家族の時間を疎かにしていたことを悔やんで、ワークライフバランスを見直す。21世紀の幸福のあり方を問いかけたいんだろうな。サーカス団員にも育児休暇を上げて下さいね。
象で家族の元に駆けつける下りはツッコミどころなのか。それともバーナムがサーカスに象を取り入れたことを端的かつファンタジーに伝えたかったのか。分からないけど受けた(笑)
娘さんの下り
 バレエのシューズの下りは良かった。サーカスでジェニーリンドを雇うことで、友達間での娘の尊厳がいくら保たれてバレエの道を諦めないでくれるのは良い選択だ。
映画の最後に娘たちの劇のシーンがある。一番下の娘が笑顔で木役になってるのは笑った。かわいかった。
ジェニーリンド
Never Enoughを歌っていたジェニーリンドの姿も見ておきたい。同じ時期に高みを目指した同士として、ジェニーリンドの叶わぬ恋も見どころかな。

PTバーナムとジェニーリンドのwikiを見て

ただの偏見だけどPTバーナムはペテン師である。という一文を見たら信じそうになる。実際にどんな人だったのかは、調べても出てこなかった。取りあえず、学ぶことは有るかもしれないので、実を取り出してみたい。
 
PTバーナムは広告に長けた人間だったのだな。70歳にもいかない黒人女性を160歳を超えるとして見世物にして儲けるあたり。アメリカに渡る前にジェニーリンドを拡大広告して関心を集めるのも、どうしたら人々の関心を惹けるのか心得ている。
 
良心の呵責で人の関心を惹きすぎるのは不味いかなと思うんだけど、別にそうでもないのかね。結局は、代金に対して楽しんでもらえればオッケイなのだから。掴みを持っておくのは、相手にとっても面白いなら不足なしか。Youtubeみたいなものか。
 
バーナム効果バーナムこうか、英: Barnum effect)とは、誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象。バーナム効果 - Wikipedia
こっから来てるんだな。占いの大半がバーナム効果だし。バーナムの宣伝方法は、占いの宣伝と似てるのかもしれないね。
 
ジェニーリンドがバーナムのツアーの容赦なさに疲れて、仲良く別れたのは面白い話だった。映画と違うのだなと。ジェニーリンドさんはヨーロッパに帰って、音楽家の夫と仲良く暮らしている。活動費を慈善団体に寄付してるのも"らしい"。劇中でもその下りはあった。バーナムとは商業的に成功を収めるために組んだ。という筋書きが頷けそうだ。