淡々と読書する日々

~知的好奇心と癒しの感性~

SF小説をはじめて読んだ「ソラリス」の感想

 
あらゆる感情の中で、畏怖の感情を持った時に脳機能が向上するという、科学的な事実からSF作品に触れるときに畏怖の感情を体験したい。
実際に期待していた結果になって満足ができた。※以下ネタバレを含みます。
 
 
 
 このブログでは、きっと今までの読者もやっただろう。生きた惑星ソラリスの考察をしてみたい。してて楽しそうだし。

地球で生まれた人間の生活

人間は弱肉強食の世界で、脳みそを大きくさせる進化を通して、協力を基礎とする文化を築き上げ、人間は「より長く、健康的に、何世代も」繁栄することを全体の目的として生活をしていた。
その過程の中で、脳みそが大きくなったことは学習的な「遊び」や「好奇心」を生み出したし。協力的な文化は、未来や過去を考慮した人間社会での様式を作ることになった。目的に応じて研究されたり,組織が作られることもあった。
 
作者はこういった前提や過程が、異なる惑星の知的生命体には通じないのではないか。「未知とのコンタクトを人間社会の延長として考えていいのだろうか?」という懐疑的な目線を物語を通して語っているように思えた。

別の惑星の客観的な接触

もし、地球のようなルールがない惑星で育った生命体が、人間と接触をするとしたらどのような現象が起こるのだろうか。
 
ソラリスを判断するのに最適な情報は
  1. ソラリスは自身が形成している惑星の軌道を変える
  2. ソラリスは何らかの方法によってエネルギーを生成している
  3. ソラリスは1個体の生命体
の3つであるように感じた。それ以上でもそれ以下でもない形だ。
分かることから考えていきたい
主人公のケルヴィンが言っていたように、惑星が意味をなしていない行動をとるのはあり得ることだという解釈は間違っていないような気がした。
 
赤ちゃんが自分の身体を理解するために発音の練習をするように、ソラリスも学習するために何らかの現象を起こしているのであれば理解できる。
その現象自体を観察しても理解できず、「発音」するという長い過程を観察することで理解できる。また、「発音」に価値があると見いだせることで理解できる。この「価値がある」ということが判断できない場合は永遠に謎な現象のままだ。
 そこで、ここら辺の観察は一旦脇に置いておく。
ソラリスは自身が形成している惑星の軌道を変える
 惑星の軌道を変えることが出来るのは、原始よりも小さな構成単位を操ることができるからだと推測できる。物語中でも、ソラリス惑星内であれば不安定な粒子を操作できると書かれていた。その技術を使って、色々な物質を生成しては破壊する過程を繰り返している。
それから推測すると、ソラリスは惑星軌道を変えるための能力を持つように進化したが、その力を得ることで、人間が「脳」を拡大化させて「遊び」を得たように、イルカのような動物が娯楽で動物を殺したり、もしくは仲間を助けるのと同じ原理で溺れている人を助けるように、知能を持つことで本来の目的とは異なる能力を発揮するようになる。これについて語っているように思えた。それは「遊び」とも言えるし「暇つぶし」とも言えそうだ。
ソラリスは何らかの方法でエネルギーを生成している

 これは自分が考えた仮説なのだけど、ソラリスにしろ、他の惑星が繁栄するにしろ、エネルギー供給源は太陽か惑星の核エネルギーだと考えている。もしくは核爆発をソラリスの体内で起こしてエネルギーを取り出しているとかも考えるのも良さそうだけれど。とにかくエネルギー源がある。このエネルギーをどこからひねり出しているのか観察したら良さそうに思える。

ソラリスは1個体の生命体
ソラリスは惑星の中で唯一の生命体である。そのため弱肉強食のような「駆け引き」を遺伝子的にも持っていないと推測できる。そして、人間の身体と同じように、体内では細菌が生まれたり死んだりしていることも推測できる。
 ソラリスのはじめの方で、ソラリスのミモイトの生成と破壊は代謝活動に近いのではないのかと書いていたけど作者もそれを意識して書いたんではないかな。メタ的な考察か(笑)人間の身体を探検したらどうなるんだろうか。脳の中を探検したらどうなるんだろうか。と言った妄想をソラリスで表現しているように思えた。 

さいごに

この本を読み終わった後は夢から覚めた気分になった。物語の中で夢か現実か分からない描写が良く出てきたし。作者の名前がレムだし、レム睡眠と何か掛けているのかなと思いつつ読んでみると、睡眠中に現象が起こるのは確かだったし。作者は自己紹介をするときに「レム睡眠のレムですね」とか日常で言われてるから着想が引っ張られたのかなと思った。 そうして睡眠要素をちりばめたのかな。

それにしてもソラリス研究者たちはよく太陽が2つもある所で寝泊まりできるなと思った。遮光空間でしか寝れない人とかどうするんだろうか。自分だったら環境を想像するだけで行きたくない遠足だな。主人公のケルヴィン君の適応力がすごい。自分が快適な空間で睡眠を取れることに安堵している。