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「ファスト&スロー」経済学と心理学の目線を融合させた本

 

この本の著者は、心理学を専攻している教授でノーベル経済学賞を受賞したという経歴を持っている。違う分野からの意見を提供することで、特に行動経済学の分野の発展に寄与したみたいだ。

経済学というのは、完全に合理的な人間によって判断が下される前提で理論が作られている部分がある。しかし、この部分は端的に言って現実とは違うし。実際に生活しているわたし達でも実感するものだと思う。例えば、宝くじを買ってしまったりだとか。衝動買いをしてみたりとか。使わない福袋を買ってしまうこともあるかもしれない。常に確率や期待値を比較して、選択しているわけではない。

 

読みやすさで言うと「予想通りに不合理」のコラムを集めた感じに似ている。変わっているところは、筆者が研究してきて培った目線から考察が味わえるのが面白い。こういう発展的な考えが出来るのかなと思いを馳せれる。

内容の有益さで言うと「影響力の科学」には劣る内容かな。ページ数の読みやすさで言うとファスト&スローの方が読みやすい。ファスト&スローの方が、ギャンブルをテーマにして確率や統計を扱った実験の紹介が多い。

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか

 

アウトプットしまくろうと誓った日だった

 

書店に置いてあったのを衝動買いしてしまった。ボードゲーム制作を順調に進めている某氏の姿を見た後。考え事をしながら歩いて、近くにあった書店で買ってしまった。

衝動買いした後に内容を読んでみると、買わなくても良かったなあと後悔してる面もある。

 

読書で得た知識を利用して、面白いボードゲームを作りたいなと言いつつ。かなりの時間が過ぎていた。アイデアはメモ帳に溜まっては居るのだけれど、具体的にボードゲームの形にするには至ってない。

アウトプットとインプットの割合はアウトプット量を多くしまくろう。戒めとして当分は飾っておくことにする。

「漫画で分かるゲノム医学」を読んだ

 

遺伝子検査をしてみたい

 ビッグファイブテストで分類されている性格型と、自分の生まれ持った性格との対比が出来ます。生まれ持った性格をそのまま活かせると力を発揮しやすいので、観てみたいという好奇心です。高いので今は買いませんが(笑)

そういう感じで遺伝子について興味があったので、遺伝子関連の知識を入れてみようと思って読みました。 

マンガでわかるゲノム医学 ゲノムって何?を知って健康と医療に役立てる!

マンガでわかるゲノム医学 ゲノムって何?を知って健康と医療に役立てる!

 

 分かりやすくまとめられていた。初学者でも読みやすい本だった。これからのゲノム医療とか、ゲノム分析の活躍が想像できた。知ったことをまとめてみる。

遺伝子で身体変化を予測するのは難しい

SNP(スニップ):複数の遺伝子が関与して、身体変化が生じること

身長、肥満、高血圧、認知症などはSNPにあたる。

特異な遺伝子

お酒が飲めるか飲めないか分かる特異な遺伝子も存在する。

 

遺伝子検査:主にSNPの多型を調べる

採取方法は「採血、口腔、毛髪、爪、唾液」でとる。ちなみに一番上で紹介した検査キットは医療行為ではないです。遺伝子からくる性格の特徴が検査対象だからです。

医療機関を通すものは

医療行為が行える。遺伝病や病気にかかりやすい体質か教えてもらえる。

  • 突然変異したがん細胞を調べる
  • 病原体を調べる

 

がんについて

通常の遺伝子が変異を起こして、細胞が異常に増殖することで起こる。

  • 人によって変異する遺伝子が異なる
  • 治療法があったり、無かったりする
  • 複数の遺伝子要因で生じる場合が多い:「がん遺伝子」「がん抑制遺伝子」
  • がんは遺伝しない
  • がんになりやすさは遺伝する:乳がん、大腸がんなど

喫煙をしない。受動喫煙、飲酒を避ける。肝炎の検査を受ける。のが大事みたいですね。

日本人の2人に1人が、一生のうち一度はがんになるというデータがあります... ...(老いると遺伝子変異が起こりやすくなるという目線もありますが)

日本人におけるがんの要因

https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/image/01.png

引用元:科学的根拠に基づくがん予防:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

信仰は発展の依代なのだ「ホモデウス」

 

作者は、「サピエンス全史」で有名な歴史学者のユヴァルさん。専門家が、違う専門分野について語る時にありがちな偏見がないと良いなーと思いながら読みました。歴史学者の目線から見る、今後のテクノロジーと人間の未来を語っています。

内容は思ってたよりも、作者の専門分野での考察で進められていたし。違う専門分野の話も、実例を用いて話していたので読みやすい文章でした。

ホモ・デウス 上下合本版 テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 上下合本版 テクノロジーとサピエンスの未来

 

信仰が先か行動が先か

この本は歴史の流れを通じて、人が何を信じていたのかを順に巡っていきます。そして、現在の信仰になりつつある「データ主義」信仰の話で締めくくります。読んでいく中で、信仰とはその時々の生活基準で罪悪感や不安を減らすため、効率を向上させるための依代なのだなと気づけます。

狩りをして生計を立てていた時代

動物信仰:狩りのために動物の行動を推測する。気持ちを想像する。
自然信仰:自然の摂理に怯えながら、時に感謝しながら生きていた。

食料の取り方や自然災害による生死について考える。常に頭の中を回っているものが信仰対象になっているんだろうなと思った。ウサギやシカが居ないか探したり、動物を常に追うような生き方をしてたら夢にも出てくるだろうし。そうした中で見出した信仰のように感じた。

このルールに取っとるなら、趣味のことばっかり考えている人は趣味信仰者を名乗っても良いかもしれないし。ハードワーカーは仕事を崇拝しているし、、と、頭の中で繰り返される意識が信仰なんじゃないかと思えてくる。

農業の時代

限定的な動物信仰:動物は家畜化する対象となる
自然信仰が変容する:自然は加工する対象となる

キリスト教は動物を人間と同一視する見方をしていない。つまり、家畜化することへの罪悪感などへは言及がされていない。ヒンドゥー教は、牛の乳を搾るのは許されている。それって人間の都合のいいように信仰が変化してる証じゃない?という解釈は面白かった。

この農業の時代になってくると、人間同士でのトラブルに重点を置いた信仰が出てくる。「自然と人」という構図から「人と人」に変わっているのが分かる。

工業化した時代

人間至上主義:人間の欲望を達成する

  • 経済主義、民主主義:経済が繁栄したらいい
  • 優生学:生物的に優位なものだけが生き残れば良い

民主主義が発展した理由は、分散型のデータ処理だったからであり、共産主義が廃れたのは集中型のデータ処理では間違いへのダメージが大きいからだと説明した。

ここら辺に関しては、もし大企業が便利なアルゴリズムを作って一括で人を管理することを考えると、当時は出来なかったけど、今後はテクノロジーの発展で出来そうな気もするんだよな。。。

情報化の時代

テクノロジー至上主義:テクノロジーで人間の身体をアップグレードしたい
データ主義: データによって人間の行動をすべて管理したい

 作者は、ここで出来た格差は埋められないかもしれないと不安を煽ってくる。しかし、そこまで脅威があるようにも思えないんだよな。もちろん、遺伝子を操作するのは恐いけれど、データ主義に関しては生活が豊かになっていく一方な気がする。

データ信仰と語っていたけど、もう一歩踏み込んだデータに基づいた個々の物語信仰になる気がする。

データ単体では機能せず、それを解釈するための仮説がいるし、過去が分かったからといって全ての細かい未来が分かる訳じゃないからだ。個人が物語を作りやすくする方向にデータを集めて、日常での物語を作るようにプロデュースするツールがあって成立してきそうだと思った

最後に疑問を

この作者が言いたかったのは

  • 「データ主義」信仰の先に待っている未来は、得るものと同時に失うものが有るかもしれない。君たちは何を望むのかい?

という一文でした。

別にテクノロジーの発展した未来には興味があるし。むしろ楽しみである方が強い。人間が幸福になるアルゴリズムや、健康になるアルゴリズムが増えたら興味心身だ。

その先には、アルゴリズムが人間を用済みとして抹消するかもしれないよ?という漠然とした疑問符をユヴァルさんは投げてくる。そこは気にし過ぎではないかなと思うよ。もちろん気をつける必要や今後について考える必要はあるだろう。でもテクノロジーは使い方次第じゃないかな。

 

人間の信仰と、時代の需要を考えたときに、マッチしていたのだなと気づかされた。面白い視点が貰えたので良い本だった。

SF小説をはじめて読んだ「ソラリス」の感想

 
あらゆる感情の中で、畏怖の感情を持った時に脳機能が向上するという、科学的な事実からSF作品に触れるときに畏怖の感情を体験したい。
実際に期待していた結果になって満足ができた。※以下ネタバレを含みます。
 
 
 
 このブログでは、きっと今までの読者もやっただろう。生きた惑星ソラリスの考察をしてみたい。してて楽しそうだし。

地球で生まれた人間の生活

人間は弱肉強食の世界で、脳みそを大きくさせる進化を通して、協力を基礎とする文化を築き上げ、人間は「より長く、健康的に、何世代も」繁栄することを全体の目的として生活をしていた。
その過程の中で、脳みそが大きくなったことは学習的な「遊び」や「好奇心」を生み出したし。協力的な文化は、未来や過去を考慮した人間社会での様式を作ることになった。目的に応じて研究されたり,組織が作られることもあった。
 
作者はこういった前提や過程が、異なる惑星の知的生命体には通じないのではないか。「未知とのコンタクトを人間社会の延長として考えていいのだろうか?」という懐疑的な目線を物語を通して語っているように思えた。

別の惑星の客観的な接触

もし、地球のようなルールがない惑星で育った生命体が、人間と接触をするとしたらどのような現象が起こるのだろうか。
 
ソラリスを判断するのに最適な情報は
  1. ソラリスは自身が形成している惑星の軌道を変える
  2. ソラリスは何らかの方法によってエネルギーを生成している
  3. ソラリスは1個体の生命体
の3つであるように感じた。それ以上でもそれ以下でもない形だ。
分かることから考えていきたい
主人公のケルヴィンが言っていたように、惑星が意味をなしていない行動をとるのはあり得ることだという解釈は間違っていないような気がした。
 
赤ちゃんが自分の身体を理解するために発音の練習をするように、ソラリスも学習するために何らかの現象を起こしているのであれば理解できる。
その現象自体を観察しても理解できず、「発音」するという長い過程を観察することで理解できる。また、「発音」に価値があると見いだせることで理解できる。この「価値がある」ということが判断できない場合は永遠に謎な現象のままだ。
 そこで、ここら辺の観察は一旦脇に置いておく。
ソラリスは自身が形成している惑星の軌道を変える
 惑星の軌道を変えることが出来るのは、原始よりも小さな構成単位を操ることができるからだと推測できる。物語中でも、ソラリス惑星内であれば不安定な粒子を操作できると書かれていた。その技術を使って、色々な物質を生成しては破壊する過程を繰り返している。
それから推測すると、ソラリスは惑星軌道を変えるための能力を持つように進化したが、その力を得ることで、人間が「脳」を拡大化させて「遊び」を得たように、イルカのような動物が娯楽で動物を殺したり、もしくは仲間を助けるのと同じ原理で溺れている人を助けるように、知能を持つことで本来の目的とは異なる能力を発揮するようになる。これについて語っているように思えた。それは「遊び」とも言えるし「暇つぶし」とも言えそうだ。
ソラリスは何らかの方法でエネルギーを生成している

 これは自分が考えた仮説なのだけど、ソラリスにしろ、他の惑星が繁栄するにしろ、エネルギー供給源は太陽か惑星の核エネルギーだと考えている。もしくは核爆発をソラリスの体内で起こしてエネルギーを取り出しているとかも考えるのも良さそうだけれど。とにかくエネルギー源がある。このエネルギーをどこからひねり出しているのか観察したら良さそうに思える。

ソラリスは1個体の生命体
ソラリスは惑星の中で唯一の生命体である。そのため弱肉強食のような「駆け引き」を遺伝子的にも持っていないと推測できる。そして、人間の身体と同じように、体内では細菌が生まれたり死んだりしていることも推測できる。
 ソラリスのはじめの方で、ソラリスのミモイトの生成と破壊は代謝活動に近いのではないのかと書いていたけど作者もそれを意識して書いたんではないかな。メタ的な考察か(笑)人間の身体を探検したらどうなるんだろうか。脳の中を探検したらどうなるんだろうか。と言った妄想をソラリスで表現しているように思えた。 

さいごに

この本を読み終わった後は夢から覚めた気分になった。物語の中で夢か現実か分からない描写が良く出てきたし。作者の名前がレムだし、レム睡眠と何か掛けているのかなと思いつつ読んでみると、睡眠中に現象が起こるのは確かだったし。作者は自己紹介をするときに「レム睡眠のレムですね」とか日常で言われてるから着想が引っ張られたのかなと思った。 そうして睡眠要素をちりばめたのかな。

それにしてもソラリス研究者たちはよく太陽が2つもある所で寝泊まりできるなと思った。遮光空間でしか寝れない人とかどうするんだろうか。自分だったら環境を想像するだけで行きたくない遠足だな。主人公のケルヴィン君の適応力がすごい。自分が快適な空間で睡眠を取れることに安堵している。

「自負と偏見」を読んだ

 
この本の登場人物であるダーシーの性格型はINTJかも。という記事が有って興味を持ち、「「高慢と偏見」を読むなら、おすすめの文庫はどれ? 各社版徹底比較! : 備忘の都」でお勧めされていた一番読みやすい翻訳を選んだ。
 
以下はネタバレが入ります。
自負と偏見 (新潮文庫)

自負と偏見 (新潮文庫)

 

 

教訓を考察する

この物語を通して作者は、性格との付き合い方を教えたいのだと思った。それを考えてまとめてみた。 

 

 自身の特徴を理解して調整する

単純な戒めの教訓
ダーシーは周囲に対して知らず知らずに高慢を持っていて、エリザベスはダーシーに対して偏見を持っていた。それによって、本来であるなら十分に実るはずの恋が実らなかった。だから、偏見を持つのは良そうね。高慢になるのは良そうね。という教訓の物語だったのかな。
開き直りの教訓
2人の恋がはじまったのは、歯切れのいい筋の通った話をするエリザベスにダーシーが心動かされたことだ。それならエリザベスが持っていた偏見は仕事をしている。そして、ダーシーが高慢な精神によってエリザベスのことを一途に思えたのも恋が発展した理由になる。だから、偏見と傲慢も恋には役に立つ場合もあるという教訓にも聞こえる。
 
この相反する教訓をまとめると、ダーシーには高慢なところがありエリザベスは偏見を持つことがある。それぞれが自身の短所を理解することで、時には自分の考察を置いて互いの意見を取り入れることで、なるべく公正な判断が出来るようになる。

どのような結婚や付き合いが良いのか

自分の性格と相手の性格で補い合えるか
結婚や付き合い型に対する教訓の目線も見える。エリザベスの結婚、姉の結婚、妹の結婚、親友の結婚を並べて対比させている。その中でもエリザベスや姉の、結婚の意図の方が大事なのだと暗に作者は告げているように思う。
  • 一緒に居て信頼できる仲間なのか
  • 自分達の生活をより良くする中で、利害が一致する
  • 一生を安定して暮らすための資金が見通せるか
 ここら辺を上げているように思えた。

自分なりに気を付けたいと思えたこと

自分の中にある高慢さを意識して真摯に生きるよう心掛けよう。元々、ダーシーのようにコツコツと善行を積んでいる人間でもないので尚更意識して行けたらいい。真摯さも追加で持ち合わせたいものだ。(笑)
 
エリザベスがダーシーのためを思って語っていた。「ダーシーは笑われるのに慣れたらいい。」というのは、笑うことで過去の自分を切り離して考え、客観的に捉えられるようになる一歩なのだろうとも思えた。
 
ダーシーの言葉を借りるなら、自分の失敗を笑って話せるようになるには「勇気より時間が必要ではあるけどね。」とは思う。ゆっくりと変化する目線で行こう。急いで体調を崩すよりはいい。

作品として

最後に作品として評価してみる。

  • 姉妹が5人も出てくるから、はじめは誰が誰なのか分からなかった。登場人物が個性的になると分かりやすくなった。
  • エリザベスの心情と地の文が入れ替わり立ち代わりで出てくるので、途中からエリザベスが読者に語り掛けているようにも思えた。筆者が技法を使って、読者に印象深く残そうとしていたんだろうね。
  • 作者が教訓的な目線を伝えたいのが理解できた。それなのに「教訓教訓」をぎっちりと感じさせるような内容でも無かったので読みやすいのも良いところ。

 

時代と国も違うので価値観が異なるのが奇妙で新鮮だった。興味が持てたので、この時代の他作品も読む気が沸いた。良い作品に出合えた。

 

 

人間の共感ってすごいね

 「共感脳:ミラーニューロンの発見と人間本性理解の転換」を読んだ。心理に関する約100個の論文から、共感をテーマに人間の普遍性を教えてくれた。実験の対象は主に人間を取り扱っていた。

 

 

ミラーニューロンとは

 wikiは便利だ。本の内容は実験内容について触れていて理解が深まった。

ミラーニューロン(英: Mirror neuron)とは、霊長類などの高等動物の脳内で、自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞である。他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように"鏡"のような反応をすることから名付けられた。他人がしていることを見て、我がことのように感じる共感(エンパシー)能力を司っていると考えられている。引用wikipedia

本書で扱っていた一部でミラーニューロンが活性化したもの

  1. 人の手が触られているのを見ると、自分の手が触られているように感じる
  2. 他人の痛みを自分の痛みとして捉える
  3. ピアノを習っていた人がピアノ曲を聴く
    →経験をしていると、未経験者とは別の脳部位も活性化する。

と言ったことがミラーニューロンの観察で分かったみたいだ。1と2あたりは、映画を観ている時にも起こるね。3は経験値を詰んでおけば、見える世界が変わるんだなと思えた。いろいろな経験をして知覚を増やしていきたいね。

赤ちゃんの発話

機械学習にも使われてそうな法則が出てきた。

ヘッブの法則(ヘッブのほうそく)... ... ニューロン間の接合部であるシナプスにおいて、シナプスニューロンの繰り返し発火によってシナプスニューロンに発火が起こると、そのシナプスの伝達効率が増強される。また逆に、発火が長期間起こらないと、そのシナプスの伝達効率は減退するというものである。 引用wikipedia

赤ちゃんって生後1ヵ月で母音に似た音を発声して、生後4ヶ月までに子音が加わって、12ヶ月で発話で遊ぶという、段階を経て"声"を習得するんだね。知らなかった。遊ぶことも学ぶことに含まれるんだな。 

  • 自分が出来ない動作ではミラーニューロンが活性化しにくい
  • 赤ちゃんが発話出来るようになると、大人の会話を聞いて学習する

赤ちゃんには沢山の言葉を掛けてあげると良い。と言われるけど、その理由が共感能力が働くことで自分が完全に発話出来なくても学習できることだと知れた。本書では取り上げられてなかったけど、絶対音感とかも近いと思う。子どもの頃は共感能力が高いから、暗記学習が上手くできると言うのも関係していそうだ。九九とかも幼い年齢に覚えないと大人で暗記するのは難しいと言われたりするよね。

発話出来るようになった赤ちゃんには色々な言葉で話しかけよう。

他者を理解するとき

 人の行動を推測するとき2種類の方法が取られるみたいだ。これが複雑に交差して、他者の理解を促すみたい。
  1. 自分が経験した感情から推測する(共感ベース)
  2. 相手行動の観察を通して推測する

1でも自分の経験をベースに置いているので、相手と自分の感じ方が違うことで共感のすれ違いが起きる場合もあるようだ。2とかは推測するための理論組み立ての話だと予測できる。

 他者を理解するコツ
  1. 相手と同じ行動、ポーズを取ってみる
  2. 相手と同じ表情になる経験を思いだす

1はやった時に、相手がテクニックを知ってたら逆に白けるようだから使う機会はなさそう。共感しているから相手と行動を合わせるのか、行動を合わせるから共感するのか、卵と鶏のどっちが先か分からないやつだ。無意識の自分が相手に共感していたのか確かめるのに使ったらいいと思う。

2はやってても変では無さそう。知らない経験談だけど、こういう感情に近いのかなーと想像しながら話を聞くのに使えそうだ。

倫理感を変えるには

道徳とか倫理は、共感だったり感情ベースで構成されている。意識的な判断がベースで捉えられているわけではない。そこで、道徳や倫理を一新するためには感情に訴えかけることが推奨されていた。

意識的な判断を、いかに解釈しやすい感情に訴えかけたものに加工するのか。伝え方の技法を学ぶためにセンスを高める?多くの人に伝えようと思うと大衆的なセンスが必要になるんかな。伝わる人に伝わればいいかな感はあるんよなあ......

自閉症について

自閉症の人と健常者の違いがミラーニューロンをテーマに書かれていた。理解が深まった。自閉症の人は相手への共感速度が遅いと言う特徴があり、年齢を重ねることで反応が早くなるようだ。親が自閉症である子どもに対して諦めてしまい、大事な発育時に知的な刺激が得られない方が危険であると語っていた。

それと、年齢が経ってからニューロンが活性化する人は人間関係が充実する統計も出ているようだ。経験を増やすことで、結果的に色々な人との交流が増えるとも考えられるかな。

サイコパスについて

サイコパスの特徴のひとつである、共感能力の欠如をテーマに語っていた。サイコパスについてはwikiのが詳しいかもしれない。精神病質 - Wikipedia 分類の仕方に諸説あるみたいだね。共感能力が欠如していて反社会性があるのがサイコパスだと捉えていいかな。

共感能力の高さとか低さに関しては遺伝的な要因、後は環境要因で共感性を失うこともあるだろうね。環境要因では逆に共感性を強める場合もあるとは思う。

本書で述べられていた、法律はサイコパスのためにあるという解釈はあっていると思った。サイコパスに限定するだけでなく利益を搾取する人を除外して、協力関係を結びやすい風土を保つのが発展には必要だと思う。

関連本

霊長類学者によって書かれた本。チンパンジー属のボノボに対して行った、共感に関する実験を主に引用してあった。4か月前に読んでいて共感への関心が髙まった。「2010-07-23 - 思ったことを「メモ」に書いておく」のブログを見返すと内容を思いだせる。動物実験ではあるので人間に対して行った実験よりは説得力には欠けるけど、関心を寄せるには良い本だと思った。

共感の時代へ―動物行動学が教えてくれること

共感の時代へ―動物行動学が教えてくれること

 

 気になっている本です。内容を推測するなら「共感の良さは社会の団結力を高める。一方で反共感性の良さは、衝動に寄らない倫理感を一新するのに役に立つ、ルールを変えるのに役に立つ。」と言ったところかな。ルールを作ったとしても広めるには共感能力が必要にはなるね。

反共感論―社会はいかに判断を誤るか

反共感論―社会はいかに判断を誤るか