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長期的な楽観を持とう

 
緩やかな、徐々に変化するポジティブ思考は良い一面を持っているのではないかと見てる。また、ネガティブであっても良い一面を取れるので、使い方次第だと見ている。
急激な変化とか、落ち続けるネガティブな思考が避ける対象かな。
 
この分野は発展途上ではあるが、将来性が見込める面白い研究だ。研究を重ねてメタ分析をして定説を打ち立てて欲しい。そして知りたい。
脳科学は人格を変えられるか? (文春文庫)

脳科学は人格を変えられるか? (文春文庫)

 
 

考えられた、現状を打破する取り組み

本書では、下の研究から楽観主義が良いよと書かれていた。それに対して自分なりの考察を入れてみたい。

楽観的な内容の日記を書いていた修道女は、悲観的な内容を書いていた同僚より、平均10年長生きしていた。

長生きに関しては諸説ある。自分が信頼が高いと思うのは

  • 食生活が向上した*1
  • 人と関わるコミュニティがある*2
  • 医療技術の発展している

あたりかなと考えている。だから、寿命が短い長いは間接的な影響だと見ている。楽観的だからコミュニティに復帰しやすいとか、コミュニティに入りやすいとかかな。食生活にも気を配るようになるかもしれない。

それが後々に良い影響を及ぼしているのではないかと見ている。

この研究を読み解いてみる

次の話が参考になるかもしれない。

  • 性格を変えるにはまず行動から変える。行動を変えることで脳の繋がりが新しく出来て、思考もそれに合わせたものが生まれてくる。=実際にどういう行動をとっているのかが大事

  • 不安を感じやすい人が多い国ほど、長生きする人が多い。例えば日本がそうである。=不安を感じるから将来に準備している

この研究の内容では、本人が悲観的なのか楽観的なのか分かっていない。書いた内容で判別している。

本書でも、楽観的な方が考えて実際に行動を起こそうとするという研究を述べている。逆に、考えて行動するから楽観的になれるとも見れる。

他に紹介されているのは、恐怖や不安を感じたときに思考出来ているのかが挙げられている。感情が先行した時に、それでも考えることを深めれるのかがトリガーのようだ。

どんな状況でも晴れる可能性を見いだそうという観点がいるのだろうか。落ち込んで感情を発散した後は、計画を立てて行動に起こすことで楽観性を高めるように心がけよう。

幼児期のスキンシップによって、その人間が成長する段階で幸福を感じやすいのか感じにくいのかが決まる

研究については別の本でも読んでいたので知っていた。前にブログで取り上げた気もする。

日本でも幼児教育を推していこうという取り組みが見られるのも、それが理由だろう。幼児期に特定の関わり方をしてあげるのは大事だ。

 

たくさんの言葉を掛けてあげる。感情を持って接する。ハグなどのスキンシップを取り入れる。

マインドフルネス

マインドフルネスに関しては他の記事を見たり、本でもたびたび紹介されるので知識は増えていく。色々方法はあるけれど、集中して雑念を取り払うことで感情をコントロールする癖を脳に着けてやるのが目的だ。

本書では、瞑想の言語表現を考えさせられた。

  • 否定的な感情が沸いたときに、それを観察する対象とする
  • 脳内で扁桃体を区切って観察をする:脳内で脳内を観察する
マインドフルネスや瞑想を行うと、感情を統御する部分に変化が起こるようだ。
これが強いと幸福度が強い、収入が高いという結果も出ている。
 
感情の取り扱いが上手いと新たに挑戦しやすくなるからだろうか。
己を知り相手を知ればなんとやらと言いますからね。
自分でやってる瞑想
  1. 目をつぶって鼻呼吸に集中する
  2. 吸って吐くときに、鼻の裏側を通る空気の流れに意識する
  3. 想像で空気の流れに色がついていると思っても良い
  4. それに集中し続ける
  5. 雑念が入って、別の思考をしそうになったら鼻に意識を向ける

これを繰り返してたら出来た。アイデアがやっている時に出てきたら、そのまま考えてメモしたりしてます。

*1:食生活のバランスに気を付けるともっと良いかも

*2:指向性のあるコミュニティだと尚いい

カナダから移民について学ぶ

日本が移民を更に受け入れるなら

日本の人口減少について気になった。そののちに、移民政策によって人口減少の緩和を促す方法があることを知った。

人口減少を改善する方法で可能性があるのは、

  1. テクノロジーによって人手不足をカバーする:企業向け
  2. 移民を受け入れて働き手を増加させる:政府向け
  3. 生活を質素なものに変えていく:個人向け

この3つだと考えている。

政府が行動を起こすなら2だ。分岐するなら、メディアの報道と個人の選択で2か3へと。もしくは両方の未来が妥当と見ている。

 

日本でこれから移民を受け入れる可能性があるのなら、移民政策について調べた方が良いかもと思って読んでみた。

カナダでは学校のサブテキストで利用される本らしく、地名が詳しすぎて理解を放棄したところもあった。この本からは移民受け入れのアイデアを抽出しようと考えた。

カナダ移民史―多民族社会の形成 (世界歴史叢書)

カナダ移民史―多民族社会の形成 (世界歴史叢書)

 

カナダの移民政策

カナダの大ざっぱな流れ

カナダはもともと先住民が住んでいた地域だ。イヌイットやインディアンが住んでいた。そこにフランスが入植してきた。諦めて帰っていく。次にイギリスが入植を行った。それから移民を受け入れて多文化国家が誕生した。アジア系が多いと言われるのは移民で入っている割合が多い。
 

ルールから決めること

タルボット入植地

入植の初期では、広大な土地をそれぞれの代表者に統治してもらっていた。ルールを作って、その土地で一緒に暮らす。

その成功した代表例であるタルボットを取り上げてみる。

  • ルールに従わない人は追い出してしまう
  • 入植民に献身的な助けを与える
大勢の人で共同体を作るにあたって、相応しいか相応しくないかを決めてフィルタリングするのは、多種多様な移民が入ってくる中では効果があった。ルールが公平性を保っているのが決めてだと思っている。
先ずは法の整備から進めるのが大事
フランスにしてもイギリスにしても、聖職者をはじめに送って宗教的な道徳心を広めてからスタートしたいという意思が見える。しかし、開拓をするための知識が十分ではなく取り決めを作るのには適していないようで、立法が出来たり法の整備によって入植地が発展していった。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)」でも、集団内で協力できる環境を作るためには、Taker(人から奪おうとする人)を遠ざけるのが一番効率的だと書いてあった。Giver(与える人)を増やしても、Takerがグループ内に居たら良い文化が育たない。

 

移民しやすくする

手ごろな価格で、大きな土地を小さく分割して売る
言語集団が小群を持つようにする

異なる文化、異なる言語を持っている人が集まっているコミュニティの中に、更にコミュニティがあるような状態を作り出す。

学校の中で趣味のあう友達とつるむのと似ている。これとは別でコミュニティ全体の統一感を出すための方針も必要となるだろう。

公立学校による全体統合。30年かかると見る
移民調査チームを組む:海外に潜在的な移民を調べて、積極的にカナダへの移住を促す
移民省を作る
移民を判断する権力を分散させて、移民政策を慎重に進めやすくした。
現在は前の移民省が持っていた権限が弱められているが、移民への人道的な支援を考える性質は変わっていない。
 

移民受け入れの基準

個人:ポイント制度
偏見などではなく実際の相対価値で決めたい。
教育、雇用機会、年齢、性格、英語とフランス語能力が基準になっている。
家族:受け入れられている身内がいるなら了承される
人道的な救済
難民のこと。経済難民は期待されていない。 
  • 難民や、家を失った人を積極的に受け入れている
民族的な組織の代表から出てきた議員達が政府に要求している。自分たちが良くしてもらった経験があるから、他の人にも与えたいと言う意思が垣間見える。
  • 世界的に経済が落ち込んでいる時、戦争の時は受け入れは渋っていた
移民を受け入れたら治安が悪化するけど、多文化社会として助けられた身としては助けたい。と、葛藤しているさまが見れた。戦争が終わった後は積極的に受け入れていた。
 
===
移民を受け入れるかを判定するにもコストがかかるのが問題だと書いてあった。判定コストを楽にしつつ、判定の整合性を上げる方法を考えたいところ。 
海外での学術経験への理解が足りなくて、本当は能力があるのにポイント制で落とすこともあったらしい。 

他、参考

移民に関する本ではこれが詳しく書いていて良かった。

移民が入ってきたときのメリットとデメリットを、数値を通して具体的に理解できる。一度目を通しておくと良いかも。移民受け入れをすると、受け入れ初めの年は治安は悪くなるが、2世代目が定着すると経済が活性化するメリットがあるという話が色々な研究者目線で書かれている。高いから図書館がおすすめ。

移民の経済学

移民の経済学

  • 作者: ベンジャミンパウエル,Benjamin Powell,薮下史郎,佐藤綾野,鈴木久美,中田勇人
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2016/10/28
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

 

エルメスの日本支社代表に学ぶ

エルメスの文化を語ってくれる。ブランドを作るときに参考となるだろう。

エスプリ思考: エルメス本社副社長、齋藤峰明が語る

エスプリ思考: エルメス本社副社長、齋藤峰明が語る

 

 

種類を豊富にして洗練させる

 エルメスでは、お客さんが褒めてくれた話などを人づてで伝えるようにしている。代々の社長からも口頭で受け継がれる。例えば、「お客さんが困っていた時にこのような対応で感謝を貰った」という類だ。同じような教訓に収めて話を終えるので、本来なら一つの物語で良い。そうすると飽きてしまうことがある。

そこで、同じ結末であっても例え話の種類を豊富にして、少し違う話を聞かせる。

脳の体操にもなるし、視野を広げる機会として見習ってもいいなと思えた。ブログで例え話を挙げるときにでも使ってみる。会話でも使えるとグッドだろう。

広い視野

エルメスでは職人に対して、芸術や別の職人の元に通わせている。別の価値観でありつつも、「情熱」という基準で言えば同じ仲間との関わりがある。このようにして、自分の枠組みにとらわれずに広い視野を探して自由な発想を広げる

自分も関係ないなと思っているものでも、ヒントへの期待や遊びを持たせるのが良いなと反省した。共通点を見つけてヒントを探すような目線を持とう。

自分のスタンスを守る

ココシャネルの本を読んだときにも感じた。スタンスを守る。美学を持ち続ける。ここら辺はブランドには必ず必要だと感じる。

消費者の動向に流されないこと。自分たちの出来る範囲でやっていくこと。自分たちが納得したものを提供する。

消費者を絞っているから出来ることだろう。ものを知っている人に提供する。こういう視線がいる。

ライフスタイルを提供する

エルメスでは、商品を使う人が理想的なライフスタイルを送ってもらうように情報を発信している。ライフスタイルを提供する視線って良いなと思った。

 

心理学の話になるんだけど、ネガティブな話題に触れるとネガティブになってしまうという研究結果がある。

他人の感情に引きずられて落ち込まないようにする方法 | ライフハッカー[日本版]

これを考えたときに、自分のブログを見た人にどんな気分になって欲しいかを考えた。

 

明らかにポジティブな話題しか載せないのも自分の信条としては難しい。ネガティブだけど、知っていて間違いのない情報や新しい考え方に繋がるものもある。だから、今まで通りで「生活に役立つ」「考え方のヒントになる」「これからを見通す」と言ったものを発信していく。

 

そして、本の酷評で不快な気分にさせないようにする。酷評するぐらいなら書評は控える。本を非難するぐらいだったらもっと面白い本を読んで伝える方がどちらも楽しい。*1

いがみ合う人と居るよりは、切磋琢磨できる人と居る方が良い。本も人も似ている。

*1:前の書評は見直した限りで書き直している。

ココ・シャネルの伝記読んだ

生き方が強烈すぎてどこを抽出したらいいのだろうか。どん底を味わっているからこそ、予想がついてリスクを受け入れられるのか。

ココ・シャネル 時代に挑戦した炎の女 (FIGARO BOOKS)

ココ・シャネル 時代に挑戦した炎の女 (FIGARO BOOKS)

 

先週からブランドを作ることに興味があって探していた。挫折したので、まずは読みやすそうな本からヒントを得ようと思った。

シャネルの生き方

偏見だが、父親譲りの各地を飛び回る遺伝傾向と、シャネルの家の貧しさや生活環境が彼女の人格を形作っているように見える。シャネルが住んでいた地域の雰囲気が分かれば、更に予想が出来そうだ。

  • 恋人(たいがいがお金持ち)となった人から、金銭面、知識での援助を受けた
  • 野心家への金銭面の援助をした
  • 熱心に学び、自分の力でお金を稼ごうと考えていた
  • 自分が築いた仕事の哲学を深く信じていた

 シャネルが打ち出した服への機能性を追求する美学や、「コピーされるようになったら本物の印」 という名言は興味深い。

事業の発展の仕方

  1. 服屋で働いているときに、秘密で顧客と契約を交わして自分で服を作っていた。
  2. 知識に触れる機会を得た後に、後ろ盾を得て店を構える。そこでは顧客となる人が大勢いて、彼女はそこで自分の流儀で服を売る自信を付けた。
  3. 次に裕福な人が引っ越してくることを聞いて、地価の高い裕福な地域に服屋を構えて、前よりも更に高い値段で独特な服をしつらえるようになる。
  4. 知り合いを通じて芸術と触れ、香水の着想を得る。

あらかじめある物を新しい見方で作り直している。

順を追って成功している。どこかで踏み間違える可能性はあったが、踏み間違えても再挑戦できる範囲で行われているように見える。

気になること

ワンマン社長なので安定性を考えると少し不安に感じる。

仕事への信頼感は確かだが、恋や人間関係で不器用さも相まって苦労している。

「選択の科学」を読んだ

選択と言われると、なるべく系統だって行いたい。買い物に行くときは先に買うものを決めてから店に入る。前は時間がかかっていたけれど、意識して直してからは選択に時間がかからなくなった。

選択の科学

選択の科学

 

自己認識は変わっていくもの

わたしたちは一貫性のある人間像を作っていきたい。だが、別の行動を取ってしまう時もある。この時に自己矛盾を感じないようにする方法として挙がっていたのが興味深かった。自己矛盾を防ぐことで生活への満足度を高める。*1

  • つじつまの合う話を、新しく作り出して過去を作り変えてしまう。昔の記憶を忘れて上書きを行うと幸せの度合いが高いようだ。
  • 真実、道徳律、理想と言った抽象的な概念によって、自分の行動に意味づけをする。何か細かい変更があったとしても、状況に応じて概念を適応するので遠目から見ると一貫している。ただし、大まかな指針の変更がある場合は世間に伝えた方が良いらしい。*2
  • 昔からずっと同じ自分でなくても、自分であることに変わりわないと認識する。

新しい話を作り出すと聞くとある話を思いだす。事故で足を失ってしまった人が、新しい自分の生き方を語ることで生きる活力を見い出す話だ。当時は見えていなかった価値観をわたしは手に入れることが出来た、と前向きに作っていく。同じように挫折した時には、新しい物語を語ってみるのが良いかもしれない。小さな挫折でもそうだろう。こういう場面では、小説を読んでいる人の物語の引き出しが強いと感じる。それと、もし身近に物語が見つからなくて困っている人が居たら、手伝うのも悪くないかもしれない。押し付けるのではなく、引き出す形かな?

本心では望んではいない行動と自己像

人から見たときの自分の評価と、自分でつけている評価は違っている場合が多いので、長く付き合う人との認識の誤解は出来る限り一致させておきたい。

しかし、自分の自己像を守るために本当にしたい行動ではなく、別の行動を他人の前では選んでしまうときがある。

その時に大事なのが、自分を実際よりよく見せたいという誘惑に屈しないことだという。研究でも自分の選択を人に合わせて行った時よりも、流されずに選択をしたときの方が満足度が高かった。

2年前はこの仕組みを知らなくて、合わせることの方が多かったけれど自分ルールを設けてからは満足度が高いように思う。服を買うときは青>白>黒>緑から選ぶようにしている。食べ物はラーメンとジャンクフードは食べないようにしている。これが2年くらい続くと達成感があった。

人柄をさすもの

「あなたの人柄はなんですか」という自由な回答を得る面接では、面接官が自分と性格や興味が似た応募者にだけ興味を見出して、それを裏付けるための証拠を集めたり質問を作るようになる弊害があったりする。

それを避けるためには、仕事のサンプルを入手して評価するとか、具体的な状況に陥った時にどう対処するのかを質問するほうが良い。

通常の人間関係でも同じようなことが言えそうだ。新しく知り合った時に、すぐに仲良くなるには具体的な状況を思い浮かべてもらって、どのような行動をとるのかを聞き合ったりすると良いのかな。

使える直感と、そうでない直感

以前に経験したものと似ている状況であれば、直観は役に立つ。専門家が、その専門分野で直観を活かして物事を解決していくのがそれだ。向上するために、行動を観察して批判的に分析し続けると見えてくる。

教授に教授が知らない研究分野の話をする時、数式を見せたら直感で理解してくれるので、数式がものごとを語るうえでの共通言語なんだなと実感する。

専門分野外でも被っている分野なら、自分の知識を活かして理解を進めることが出来るのだろう。

選択肢が多いのなら、分類して分けまくればいい

人は選択するものが7個以上に増えると、ストレスを感じてしまい選択をしたくなくなるようだ。こういう時はものを分類して選択を絞っていくことで選択を気楽に出来るようになる。分類の数が多いのは問題ない。

商品をお客さんに勧めるときには、商品の性質で分類することから始めたのを思い出す。「あっさりした味が良いですか?濃いのがいいですか?」と言ったのからどんどんと選択肢を削っていき、さいごに2、3卓に絞る。注文を決めるのがこちらも楽だった。

これは普段の生活でも適応している。前に分類しておくと次に選ぶときに更に楽になるので、分類する癖をつけるとすべての選択が楽になる日が来るのではなかろうか。

他、参考

www.ted.com

気になった人、こと

ポールエクマン教授

「絶対に見てはだめ」と言い聞かせ、大事そうな本に見せて子供に好奇心を与える。

 

*1:就職先を選んだ当時の理由、何年か経ってもう一度聞いた就職の理由を比べていた。

*2:気を付けよう。

「頭のでき」を読んだ

頭の良さは遺伝なのか。環境なのか。現在はどちらの影響もあると考えられている。この本は、遺伝だと諦めずに環境を良くしていこうという目線を持たせてくれる本だ。

心理学者が書いており、学校教育や自主学習の方法へのヒントが得られた。

頭のでき―決めるのは遺伝か、環境か

頭のでき―決めるのは遺伝か、環境か

 

前半は「知能は生活環境によって依存する側面もありますよ。」と語っていた。

「遺伝によって完全に左右される」と強調している研究に対して、矛盾する研究結果があることや研究によって結論づけられた論理が間違っている点を指摘している。優生学の暴走で起こった悲劇が再び起こらないように、釘を刺しているんかな。

家庭環境による知能向上の差

こどもの頃の家庭環境がひどく、知能が向上する時期に知的な刺激が足りていないと成長時に知能発達が遅くなると繰り返し注意し、色々な研究結果からの考察で教えてくれる。また、幼児期に知的な活動をした場合に知能が向上する研究も取り上げている。

大学でも幼児教育の授業を受けていたのである程度は知っている事実であった。赤ちゃんが居て喋りかけてもいい場面なら、たくさんの語彙を使ってみるといいようだ。やってみよう。

大学で学ぶことで知能の差が埋められる

これは研究対処になったアメリカ地域の話なので、日本ではまた違ってくるのだろうかと考えている。

話に上がっていたのは、黒人が「黒人は勉強できない」というステレオタイプ(固定概念)に高校では感化されてしまう。だが、大学ではそれに対して比較的対抗しやすいからだと理由づけていた。

大学に進む人では、「知能は遺伝ではなく、努力によって獲得するもの」と捉えている人の割合が多いのかもしれない。生活で関わる周りの人が持っている、知能に関する捉え方が大事だと推測できる。

東洋文化で栄えるには

東洋文化は西洋に比べて、家族や集団を大切にしたり協調性を重視する文化が根強いようだ。同調圧力があって、もしその圧力が正しい方向を指しているなら良い効果を発揮するかもしれない。

著者は、ユダヤ人に成功者が多い理由として「同調性」と「知的価値を重視する」を挙げていた。東洋文化には「同調性」がもともと備わっているので、「知的価値を重視する」ことで多くの成功者を排出するかもしれない。

効果的な指導法、1on1

  • コントロール感を持たせる
  • 能力の範囲で挑戦させる
  • 生徒に自信を持たせる
  • 好奇心をもたせる(ヒント:ソクラテスの問答法)
  • 文脈を与えて関連付けさせる

 誰かに物を教えるときに心がけてみよう。とは言え実践あるのみか。脳内シミュレーションで思考実験してみるのもいいかもしれない。メンタルモデルをあらかじめ設定しておこう。

共同学習

効果的な学習として、2つ取り上げられていたが片方が気になったので取り上げた。

共同学習:2人で学習するスタイルだ。1人が学んだことを教える役となり、もう一人が生徒役になる。これを交互に入れ替えることで学習していく。

自分の言葉で置き換えて記憶すると定着が早まる。学習に関する研究が多く紹介されていて、実践に役立つ本としては下のがお勧め。

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

使える脳の鍛え方 成功する学習の科学

 

さいごに

学習に関する知識を提供する本として、興味深い考察が展開されていた。前半では遺伝によって知識が決まってしまうことを否定してくぎを刺し、後半では教育に関する研究を著者の直感と考察によって推理していた。

すべての子どもの親が、知能を向上させる術と選択肢を知っていたら教育の仕方や環境整備も変わるのだろうか。個人的な問題の側面と、政治的、社会的な側面、地域的な側面で考えていく問題だと感じる。

個人で出来ることを考える。「知能は遺伝によって完全に決まる」と言う誤解を解く。勉強がしやすい環境や作業がしやすい環境のデザインの在り方を考えたり、工夫したり配慮していく。こういった取り組みで知的価値を重視した取り組みをしていこう。*1

*1:毎回同じ話を言うのではなくて、アレンジを加えたり話内容を増やしていくことで幅を持たせると飽きないかな。

それを考えると、教師という職業や教え続ける業務は、同じ発言の繰り返しばかりで、自分の発言に対して自分が飽きてしまいそうだ。関連話を集合知として取り出しやすく管理して、提供したら教えるのが更に楽しくなるだろうか。

例えば、ある業務を覚えてもらうときに、過去に起きた失敗の話集や成功体験談をあらかじめ集めておいて、業務作業を教えるときに幅を持たせる。

子どもに教えるときの例えを、全国規模で収集することで、違う都道府県の話題を入れて視野を広めてもらうとか。別の話題と関連させて覚えやすくする。

会社レベルで残業ゼロにするための本読んだ

残業をどう減らすか。このテーマで本を探して読むのも有りかもしれない。書いてあることは会社を運営する人向けの話だった。

会社選びをするときに、会社の方針を見るために役立つ知識になるかなと考えている。

図書館を利用するようにしてからは、本屋では買って読まないような本でも気軽に読めるようになった。本屋では悩んで買っていた2000円代の面白い本も気軽に読めるのは大きい。*1

小さな会社でもできた! 働き方改革 残業ゼロの労務管理

小さな会社でもできた! 働き方改革 残業ゼロの労務管理

 

残業を減らすために会社で行ったことを書いている。主に書かれていることは2つに分かれていた。

  • 物理的な方法で残業を減らす

退社時間になると、セキュリティが動作して会社に居られないようにしてしまう。実力行使で行っているなと思わされた。

  • 業務を効率化させて減らす

効率化のためにお金を掛けてソフトウェアでカバーしたり、取引している会社に告知をして協力してもらうという取り組みを挙げていた。具体的にお金を掛けたり、行動によって生産性を上げないといけないのは確かだろう。

法律を考えて残業ゼロに移行する

法律的な部分で気を付けることも書いてあって、従業員との交渉や労働組合との兼ね合いを考えつつ進めていくべきだと言う視点を与えている。

  •  時間をかけて残業をゼロに移行する

突然に残業をゼロに移行すると従業員にしわ寄せがいく。 裁判でも負ける可能性が出てくる。2年を目処に徐々に進めていくのが良いようだ。

他にも従業員に対してどう対応したか。労働組合とどのように交渉したのかが大事だと書かれており、会社の真摯さを計るための視点を貰えた。

さいごに

生産性を上げるためにどういったことを書いているのだろうと、思って読んでみた。

目新しくて面白いと感じたのは、物理的に残業できなくさせる方法だろうか。1時間ほどいきなり切り上げていたので、従業員への影響はかなりあっただろう。話の途中から15分づつ強制退社時間を早めていく試みに変えたようだ。生産性を上げるだけでなく、ボーダーラインごと動かすのは勇気がいることだ。何も考えずに行って業務に致命的な支障が出たら会社がやっていけなくなる可能性さえあるのだし。考え込まれた作りになっていないと出来ない取り組みだ。

会社経営の視点のみなので、もう少し「残業」「働き方」に関するテーマで本を読んでいきたいと感じた。当事者から見ると甘めに見られて、管理者から見ると厳しく見られる。第三者の目線が一番に信ぴょう性が高いはずだ。

*1:半面、値段だけ高くて内容がダメな本もあるのだと実感させられた。もしかしたら自分で買うときは無意識に取捨選択していたのだろうか。

それとも本屋さんが面白いと思っているものをお店に出しているからなのか。となると、図書館の本はそこまで考えられてない可能性があるのか。

主観のみなのでよく分からない。しかし、専門書の面白さに詳しい人が居たら本棚も潤うだろうなとは思う。