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INTJキャラのいる作品感想

 

MBTIのINTJキャラが出てくる作品を楽しむようにしている。

  • 前の性格診断でもINTJだったため(ただ極振りINTJでは無い)自分が直面する問題を事前に理解できるかなと浅い期待をしている、、
  • 創作キャラを作るときに参考になるかなと
  •  

というのが主な理由だ。

september36.hatenablog.com

 

INTJが出てくる作品感想ずらっと
  • ブレイキング・バッド

肺がんで余命3ヶ月と言われた、クソ真面目で家族想いの化学教師INTJが、お金に苦労して妻や子供に残せるお金が無いからと、高濃度の覚醒剤を作成してギャングに売りさばいて死ぬまでに何とかお金を捻出しようとするお話。

「余命3ヶ月、お金ない、潤沢な化学知識、覚醒剤は売れる」というキーワードが頭の中を駆け巡って、今までの生活が嘘だったかのように行動順位が切り替わる。イカれている。INTJは、良い意味でも悪い意味でも、直感から得た気づきで行動理念を完全に切り替える描写が多い。それは思考するというより、記憶からくるイメージ連想によって決断する形が多い。切り替えたあとは計画的合理的に目標を達成しようとする。

キャラとして参考になるところは、意外と悪事を働いている時に恐がってたり慈悲の面を見せたりする部分もあるという面かな。合理的に考えてこうするのが良いけど、申し訳なさもあるみたいなところがまあそうだなと。

  • A Beautiful Mind

ナッシュ均衡とかゲーム理論でお馴染みのジョン・ナッシュが主人公INTJ。統合失調症で、妄想と現実の狭間に居ながらも妻の助けを借りつつ、名のある数学者として生きていたのが分かった。

これは観てて騙された。親友が実はイマジナリーフレンドで、、、妄想が現実に侵食されているという夢と現実が混ざり合っている世界で生きる狂気を感じた。

INTJは、SではなくNが入っているので、温かさや冷たさ美味しさといった五感などから得られる感覚は後回しにしがち。そういう感覚ではなく、感覚から連想する直感に集中しやすい。例えば、温かいと言えばココア、ココアと言えばカカオ豆といったように別の物事に集中する。これが悪化すると、ジョン・ナッシュの統合失調症みたいに夢と現実の区別が付かないようになり、場合によっては現実に帰ってこられないのかなーと感じた。

こういう夢から戻れないをテーマにした映画を、クリストファー・ノーランINTJが「インセプション」で表現していて、作品を通してのメッセージは「深い意識から現実へ戻るためには、現実に大切な人を見つけることだ」と伝えていたのを思い出す。

このジョン・ナッシュも、最後は妻が現実に居るための手がかりとなり夢から戻ってこれた。奥さん大変だろうなと観てて思った。こういう夢に取り込まれるのはドラマ版シャーロックホームズINTPの話でも触れられていたりする。ダイブし過ぎも注意だね。

  • かぐや様は告らせたい

主人公とヒロインがどちらもINTJだった。

因みに作者の赤崎アカ先生の別作品「推しの子」の主人公もINTJなので、間があったら読んでみる。(色んな作者が描くINTJ知りたいから、当分は良いかな。)

これはもう読んでいると癒しになる。癒やししかない。共感性羞恥が働きまくる。末永くお幸せになってくれとキャラクター達に願いを込めてしまう。後半パートはもうただのイチャイチャだろ馬鹿じゃんとなった。

 

INTJ、INTPは、人間関係、恋愛において弱い。

一番モテると言われているのは、エンターテイナーみたいな性格ESFP。「意見を相手に伝える(E)」「現在の感覚に集中する(S)」「人間の非合理的な感情を優先する(F)」ため、ノリが良くて人と仲良くなりやすい。

その真反対にあるのがINTJ、INTPとなる。「意見を伝えづらい(I)」「感覚からくる連想に集中する(N)」「合理性を優先する(T)」で、よく使っている機能をそのまま使ってしまうとノリが悪く上手くいかない。

 

だから、INTJである主人公やヒロイン達が、「人間的な非合理な感覚を相手に伝える」という行為自体が慣れないもので、一番頑張っている所だったりするのかな。その部分が克服されると、どうなるのかが気になる。生まれながらの気質とかだと変わりづらいというのも有るんかね。

  • 僕の心のヤバイやつ

これも恋愛漫画。SF×エンタメ創作の参考材料としても丁度いい、同じ性格タイプとして弱点理解にもなる、何より癒やされる。一石三鳥ぐらいある。

これは、エンターテイナーESFPヒロインに翻弄されるINTJ。真逆の性格タイプでカップリングをしている。

市川と山田どちらも可愛いんだよな。市川が人に言っても全然共感もらえない趣味持っているのも分かり味があるし。なんか、昔の自分をデフォルメして思い出し直すのに都合がいい。性格にNが入っているタイプは厨二病になる説あるんかな。妄想に走りやすいというか。

  • となりの怪物くん

これも以下略。これはヒロインがINTJになっている。今も漫画を読んでいる途中だな。何というか、丁寧に恋愛や人間関係の葛藤を描いていて面白い。浅野あつこの本を思い出した。

「好きってなんだんだろ」と、感情と向き合う登場人物達がしっかり描かれている。

ハルがヒロインの水谷に「一緒にホタルを見れたらもっと綺麗に見えると思ったんだ」といって一緒にホタルを見るシーンが印象的だった。

「綺麗なものを一緒に見て、今の感情を共有する」というのはESFP的で、心を許している相手から言われるとINTJは驚きだろうな。それを連想することは出来るけど、それをいざ楽しむとなると戸惑うのだろうなと。

 

  • 幼狐×僕SS

執事役がINTJ。ヒロインはINFJ。似たりよったりな性格ではあるけど、ヒロインの方が情に厚い非合理な感情的選択Fをする。

似た性格に対しては、親近感が湧きつつ、自分と異なる部分に良さを感じやすい。ここで言うなら感情的選択かな。

この物語は、INFJがINTJを包容する形での関係になっている。INTJは、自分が行う合理的行いに嫌気がさしていて、感情的選択を下せるINFJに依存している感がある。

少女漫画は依存展開ままあるのだよな、、少年漫画は勧善懲悪に徹しがちだし、そういうとこだよな。どういうとこだっけ。

そうじゃなくするなら、続編でリリチヨから学んで精神的自立を果たしていく物語とかを書いてしまえばいいのかな。あとは、精神的に自立するというのが他の人間関係でもいけることに気づくとかかな。

、、この物語はヒロインの物語のためか、INTJ執事の成長が見られない、分かりづらいようには感じる。

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  • 理系が恋に落ちたので証明してみた

見ている途中、ムードを指数で表すの面白いなと思った。
はなおの動画とかでやってそう。乙な終わり方だなと思った。

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  • シャーロックホームズ

これは単に面白いから見てる。海外ドラマの「メンタリスト」と同じような延長で面白い。海外の犯罪捜査もの手が込んでいて面白いんだよなあ。海外ドラマは中だるみめちゃくちゃするけど、シャーロックホームズは切りが良くて面白い。

シャーロックホームズINTPの兄であるマイクロソフトホームズがINTJで、何かINTP弟を見る気持ちが何となく分かる。親しい人に対しては、何だかんだおせっかい焼こうとしたり、危険な時には助けようとしたり、INTPより表立って行動したがらない所とかが分かり味が深い。仕事を斡旋してたりする。あと、あんまり友達作らない所とかか。ホームズがワトソンと組んでいるの少し羨ましそうなのとかが分かる。

 

色々なINTJが見られて面白い。「となりの怪物くん」と「僕の心のヤバイやつ」は引き続き読む。

創作で恋にまつわるシーンを入れる時は、一緒に感情を味わうという発想で行けば良いんかなと気づきが得られた。ゴテゴテのSFとエンタメ要素を混ぜてコンテンツ作るぞ。

 

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モテる系心理学本への感想

 
メンタリストDaigoの恋愛心理学の話とか,恋愛系の心理学の本を前に読んだのを思い返しての感想を書く.男性脳と女性脳の話を最近聞いて思い出した.
男女脳戦略。――男にはデータを、女にはイメージを売れ

男女脳戦略。――男にはデータを、女にはイメージを売れ

 

「対人関係において魅力的な人になればモテる」

異性であれ同性であれ魅力的な人は慕われるというやつ.
  • 自信:やりたいことをやっている,人生の目標,成功体験
  • 信頼できる相互関係(長期的な魅力):感情への共感、考え方への理解からの安心感
  • 自分にない能力がある(短期的な魅力):憧れ
人と仲良くなるための方法としても使えるから面白い.モテたいと思うなら,
  • 日常生活を充実させる
  • 日ごろから質のある人間関係を作る
  • 自分の強みについて考えてみる
をするのがいいと思った.質のある人間関係では,対面で喋る以外にも文章を使って考え方を整理して伝えるのはいいと思っている.その例として,SNSで知り合った人は相手の内面を理解しやすくなって結婚後も良好な関係が続きやすい説がある.会話の方は感情表現が多めな印象がある.
感情への共感と,考え方への理解はそれぞれ違った意味で重要だと思う.

「環境によって魅力度が変わる」

  • 属している環境の中で輝いているのか
周囲の人と比べられるのでその中で役割についていれば魅力的に映る.
やりたいことを生き生きと出来る環境にいれば,おのずと魅力的な人になる気はする.
自分の居場所を見つけてみるのがいいのかもしれない.
  • 接触のしやすさ:住んでいる家の距離が近いか,日常的に出会う回数が多いか
仲の良い友達の近くに住むと幸福度が上がるという研究を思い出す.異性と地理的に近い距離に住んでいると恋愛対象として見られやすい.
個人的な感覚でも,距離が遠いと移動時間で疲れてしまう.体力がめちゃくちゃあれば別なのかもしれない.
心理的な距離についてはインターネットが発展してSNSでコミュニケーションが取れるので,遠くなるとは一概には言えないかもしれない.
 
最近Youtuberになったカジサックが綺麗なお嫁さんとの馴れ初めを語っていた.恋愛のために,県をまたいで車で送迎しに来るという発想がクレイジー過ぎた.クレイジーだからこそ芸人たり得たのかと勝手に納得していた.いやムズイ(笑)
 

人生を密にしてたら勝手に上手くいきそう

モテたいなら,趣味の人間関係を広げて趣味を楽しむための環境を整えたらいいと思った.モテる事についてはあんまり意識しなくてもいいような気もする.
異性の多い趣味の方が機会は多いとは思う.趣味を複数選ぶことが出来るなら.そういうのを敢えて選択するのも手かもしれない.
 
恋人と友人関係での付き合い方でブラックジョークの効果が違う。友人関係では好意的になる。好き勝手言い合える仲がいいというやつだとは思う。
対して、恋人関係だと喧嘩になるのでやめた方がいいらしい。確かに、恋人が一緒にいるときにブラックジョークを言ってる姿を想像するとへこみそうだ。、
 

読まずに考えてみる「人生に生きる価値はない」

 

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前回の前置きから、哲学の本を読むつもりは今のところないけど、自分なりに考えてみようと思った。哲学者の中島さんが書いた本の題名、「人生に生きる価値はない」の考えについて自分なりの予測を立てて考えてみる。高校の頃に同じような議題で悩んでいたことが有ったので懐かしい。

人生に生きる価値はない (新潮文庫)

人生に生きる価値はない (新潮文庫)

 

分からないこと

分からないことがある。この文字はどこで区切っているのかが分からない。どちらなのだろうか。

  • 「人生に生きること」は価値がない
  • 「人生」というもの中に「生きる価値」が内包されてはいない

前者と後者ではニュアンスが違ってくる。今回の場合は後者だと捉えていく。

ところで、人生とはなんだ

いままでの生きてきた過程のことかな。

特にそのなかでも思い出が深いものを「人生」と名を打っている。「人生」というのは後から編集可能な記憶というところかな。幸せな記憶ばかりを集めたものを思い出しても、それは「人生」というタグがつくだろうし。不幸で検索しても同じようなものだ。

過去を思い出したときの感情経験が「人生」だと言えるかも。それについては心理学の方で科学されているので、ここで深く語るつもりはない。この本は個別で紹介したいぐらいに面白い。

明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

生きる価値とは

自分が将来も生きる必要性があるかという問題についてだ。

生きる価値を絶対的に定義できないと思っている。私たちが生きているのは、自然の摂理で成り立っているからであって、特に深い意味はない。しかし、逆に死ぬ理由もないとは言える。

信仰の話

その上で、わたしは熱心な生存したい教徒の一人ではあると自覚している。ここからは信仰の話になってくると思っている。

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生理的な話
  • 生存本能

自然淘汰の原理から、結果的に生存しやすいような生体反応を持っている個体が生き残りやすいので、現在生きている人間は結果的に、生存本能として生に貪欲な種族だと言える。

とは言え、僕たちは環境に適応するように進化するとは限らないので、この先で自然淘汰する可能性はある。もっと言えば人類が滅びる可能性もある。

  • 生存文化を継承する共感能力

わたしたち人は共感能力を備えて生まれている。慈しみの心だったり、寛容だったりだ。これは、人間が文明を発展させる上で必要な機能だったと言えると思う。自分が属している文化が生存を促すようなものだった場合に影響をもろに受ける。今も受けてるはずだ。

 

「人生」と「生きる価値」の関係性

「人生」が「生きる価値」を内包しているという考え方は違うかもしれない。
どちらかと言えば、相互に関係しあっているような仲に思える。

「人生」があるからこそ、生きる価値があるとも思えるし。
「生きる価値」があるからこそ「人生」が生成されていると捉えてもおかしくない。
関係性はかなりフラットだ。

最終的にだが、この意見についていえるのは「人生に生きる価値は部分的に含まれているが完全に内包していない」というのが自分なりの解釈かな。

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やっつけ図
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こういう絆の作り方もあるんだな「対岸の彼女」

 
日常の小さな前進を描いた作品だった。文章が読みやすいのも特徴でした。
ひとつのドキュメンタリーを見せられた気分になった。この物語と同じように悩んでいる人を見つけたり、同じ境遇になった時に、この作品を読んでいて精神的に救われるかもしれない。辛い目にあった時には「同じような目に合っている人は他にも居るんだ」と思えば痛みも安らぐと思う。
対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

 

作者はどういうテーマを入れていたのか

 働く女性と専業主婦をそれぞれ主人公として描くことで、環境の違いからくる心情の違いを対比しやすくしていた。ふたりの主人公を魅力的に描いているので、ふたりが解釈のすれ違いで仲たがいをしていく様子がヒヤヒヤしました。本を読む側としては、何行か前には相手の心情が書かれているのに、舞台の2人は片方の世界しか知らないんだなと......

 

働く女性としての葵、専業主婦の小夜子、立場が違っても理解して絆を作ることも可能なんだよと伝えているようでした。こういう物語が知られることで、多少なりとも、働いてる女性と専業主婦の女性の間で協力関係が出来たら良いのになっていう新しい関係性の提案がしやすくなりそうです。
その中でも、物語では主体的に行動することが大切だと伝えているようでした。自分が前から疑問に思っていたこと、みんなの前では発言したことが無かったけど本当は思っている事、そういうことを自分なりに行動に移して、失敗をするかもしれないけど、それでも前よりは良くなっていく。そういう目線を教えられた気がしました。
 
この作品で中心で描きたいのは、女性同士の友情の在り方に思えました。後から知ったのですが、本人が自身の本について語っている記事も有りました。

男性側としては

男性目線では、嫁姑関係が面倒くさいことを事前に知っておけば良かったり、育児と家事に関わる姿勢があればいいのになという目線があった。
子育てのしやすい環境について
  • 夫よりも、妻の両親に近い家に住む
女性が義母に子育てを手伝ってもらうのは、心理的に負荷がかかることが多いそうだ。妻の両親であれば、手伝ってもらいやすい傾向がある。子育てをしやすい環境で育てる方が負担が少ない。
  • 子どもが小さいうちは、そこそこ田舎でも良い
保育園や幼稚園に、待機児童として待たされるリスクは無い方が良い。また教育の面でも高校生までは大人数型でなくても良い。
  • 大学生になる頃には、大人数の人と関わりを持てるところが良い
多くの価値観を吸収した方が良い。26歳までには社会で色んな人と関わってる状態が望ましいかな。
  • 日本、韓国は欧米、ヨーロッパ圏よりも、家事分担が遅れている。料理や子育てスキルを身に着けようとしないのが原因だと思われる。

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人体実験は恐いね「アルジャーノンに花束を」

 

愛に関する話しかと思いきやドキュメンタリーSF小説だった。知能が高まる薬を投与して、賢くなったが、失敗作だったので、知能がまた下がってしまった話だ。

物語を通しての感想

人体実験は恐いね

もしこれが事実であったなら、安全性が確かめられていない人体実験は恐いなと思った。チャーリィはIQを高める薬を与えられて、知能が高くなるのだけど、最終的にはIQが元に戻ってしまう。ただでさえ知能が高くなったことで環境への情報量の多さに戸惑っているのに、追い打ちをかけるように自分はまた知能が下がっていくことに気づいてしまう。

この物語の根幹は、非道な人体実験に由来するものが8割ほどだ。「こんなことしてしまう世の中にはなりたくないね~」「人をモノとして扱うなよ!」って話かな。

過去の自分を毛嫌いしてしまう

後半のシーンで、過去のIQが低かった自分が現在の自分を見ている、という妄想に取りつかれていき狂気に陥る。そして、過去の醜い自分を罵倒して、現在の自分に嫌気がさすようになる。

もし、過去の自分が見えたとしたなら、その自分を迎えてやればいいのにな。過去の自分をそのまま否定することは、結局は現在の自分を否定することに繋がるのだから、継続していること変化していることを見つめればいいのに。それだけでいいのにな。

 チャーリィはストーリーテリングをしている最中だったのだろうな。

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愛だけではなく、共通価値観も必要ではないか

肉体関係のみによって充足を得るチャーリィとフェイには共通点が無さすぎた。ふたりの距離は日常が進むにつれて離れていくようになる。長続きするカップルと言うのは、共通の趣味を持っていることや、笑いの場所が似ていることがある。フェイは「ダンス、芸術」でチャーリィは「研究、数学」だった。

最後の方で妹のノーマと会うシーンがあり、「過去の共有」をする。これがチャーリィの求めていた共通の価値観だと思った。別でも探せるとは思うけどね。

チャーリィはどうしたら良かったのかを考えた

冒頭で、作者から「知識は人と人との間に楔を打ち込む」と問題提起についてのネタバレから始まる。

  1. チャーリィが知的しょうがい者から、特殊な薬で全知全能人間になる
  2. 人との間に楔を感じて葛藤する:今までの周囲からの反応は、自分を好きで仲良くしてくれた訳ではなく、蔑んで優越感に浸るためだったと知る。周囲はチャーリィが自分よりも賢くなったことに困惑して気味悪がる。
  3. 同じ境遇のアルジャーノンに共感する

この後に、チャーリィがしたら良いと思ったのは、チャーリィのことを知る人がいない町で新しく人生をやり直す事かなーと思う。今までのチャーリィに関わってきた人を許す寛容さを得るのも、復讐心を抑えるのも、別の町でやればいい。破綻している人間関係を修復するよりも、まだ築かれていない人間関係を新しく作る方が、労力は楽に済むからだ。

新しい体験を探して動きまくって、過去をグズグズ考えなければ幸せになれるよ!

2000人に聞いてわかった「幸福な人と不幸な人」を分ける3つの特徴:https://yuchrszk.blogspot.com/2018/01/2000.html

それと関連したもの

頭がいい人は孤独な方が幸せになれる(少ない友人で良いということ)

友達いない方が幸せな人の条件とは?:https://daigoblog.jp/intelligence-friends/

これを念頭に置くと、チャーリィは賢くなっていくと、新しい趣味を手に入れて、新しい知識の探求に夢中になっていき、幸せを掴んでいくようになってもおかしくない。実際に、研究に没頭しているシーンもあるし、妹のノーマンとの会話で「旅行に行く」と語っている。

知能が高くなったままであるなら、チャーリィはHAPPYENDに進んでいた。

知能の高さは、精神的な豊かさを表してない

 冒頭で作者が語っていることに対しては賛同する。

現在の学校教育では、高いIQをもつ子どもたちに褒賞を与える傾向にあるので、高いIQの子どもたちは、IQ以外の社会的、感情的、常識的知能を磨こう、という気が起きにくく、不幸な結果になるのでしょう

参考:https://www.vice.com/jp/article/paq7ng/only-stupid-people-have-lots-of-friends

この記事は、論文ベースと言うよりは科学者のひとつの見解なので参考程度に収めとこう。IQが人間の生活を豊かにするひとつの要因に過ぎないのは確かだと思う。それのみが重要ではないはずだ。

  • 批判的能力:ものごとが論理だっているのか考える能力(暗記力とは別)
  • 創造力:新しい方法や価値を生み出す能力
  • 感情知性:思いを言葉で表現する能力

あたりが生活をする上で大切になるかなと思っている。これは生まれながら手にするものではない。また実際に行動する回数も大事になってくると思う。個人の見解なので悪しからず。

どれだけ高性能なスマホを持っていたとしても、中に入っているアプリケーションが使いにくいものであるなら、性能は低いが良いアプリを入れているスマホの方が使いやすいという話に似ているかな。

 

「みかづき」読み終わった後に考えることが多い

 
三日月って、「新月へと向かう三日月(有明月だから三日月ではない)」と「満月に向かう三日月」のどっちもあるよね?って考えてしまって書評するのを迷ってました。満月に向かう方が三日月なんですね。本の絵もきちんと三日月が描かれてます。
みかづき (集英社文庫)

みかづき (集英社文庫)

 

 

この本は、戦後教育から少し経った学校向けの塾が経営される所から始まります。主に塾で働く人たちを中心にした物語でした。そのため、「作者が伝えたいこと+実際の様子」がテーマに混じっていました。本に関わった人の紹介で教育機関の名前が並んでいたので、実際にリサーチして書いてることも伺えます。教育の歴史が小説を通して知れるのは印象深くなり分かりやすかったです。

作者が伝えたいことを想像して自分なりにまとめてみる

この本を読み終わった後に考えることが沢山あります。現状の教育問題と教育課題について暗示していました。この本を通じて興味が沸いてくれたらいいな~という作者の意図が感じ取れます。

感じたこと
  • 人間的にかけている部分があっても、それがその人なのだ
  • そのかけている部分を補おうとする姿に感動する
  • 社会的に環境が欠けている人を、能力が足りないと烙印を押された人を補えるようにしたいと思う姿に感動する
  • 時に、満たそうとするあまりに、問題を抱えていることに気づけないことがある
  • それも人間らしさ
  • 欠けていても良くて満ちようとする姿が美しいのだなと→三日月に繋がる
  • 大義のためなら執念のごとく行動できる女性の姿を感じた。
  • 泥臭さを感じた。スタイリッシュさには欠けた。ありのままを感じた気もした

ある一家の世代の移り変わりを体験できるので、「若さ、老い」に対する現実的な側面を観ることが出来たと思う。かなずしも悲観的では無くて、歳をとっても変わらない良さがそこにはあるというメッセージも見えた。

この作者が伝えたかったこと
  • 自分の情熱に従って生きてもいいのだというエール
  • 女性の力強さを感じた
  • 失敗したとしても次の挑戦を出来る環境をさがしてトライしてほしい
  • 人には良いとこも悪い所もひっくるめて人だから、自分に適した方法で社会と向き合っていけばいい
  • 満足することなく前へと進みたいという思いから行動していくことで、生き生きとした人間へと変わっていく
  • 現在の問題への解決方法と環境は、過去とは異なる。けれど、世代から世代へと根本的な思いは伝わっている
  • 前の世代での失敗を次の世代が活かすようになる

世代を追うごとに新しい価値観が生まれていき、生活がスムーズに向上していく。もし、死なない身体を人間が手に入れるようになったら、世代交代が起きずに、新しい価値観が生まれなくなるというのを思い出した。

自分が良いなと思ったこと
  • 失敗したとしても次の挑戦を出来る環境をさがしてトライしてほしい
  • 人には良いとこも悪い所もひっくるめて人だから、自分に適した方法で社会と向き合っていけばいい
  • 満足することなく前へと進みたいという思いから行動していくことで、生き生きとした人間へと変わっていく

自分が目指している信念と近い考えを持っている人から、考え方を聞いておくのはいいかもしれないと思えた。実行する方法は全く違うとしても、その核の部分が一緒である可能性もあるんだろうなと。

この物語での違和感
  • こどもに教育をするというのが一体なんのためなのかを考えてみたい。
  • 学校で成績が芳しくない人を救済することなのか
  • 自分の頭で考えて学べるような人間になるのが、教育として大切なのだと語っている場面もある。
 
教育の意味への疑問が自分の中で沸いた。研究のように自分で勉強できるようにするのが教育目的だと言うのなら、研究の仕方への効率的な方法を教えた方が良いと思う。目標に対して実施している事が、すこし的がずれているような気もする。
 
この微妙な違和感によって、教育者の熱血的なところに対して一歩引いてみてしまう自分がいる。もちろん、最終的には、自分で学べるような人になっている事の方が多いのだから全て悪だとは言えない。

「姑獲鳥の夏」夢から目覚めさせる陰陽師

表紙でイメージした内容とは違っていた

高校の頃から京極夏彦の本を読もうと思っていた。その時は、仙人とか妖怪とかが出てくるファンタジーを読み漁っていたのもあり。その先入観から、妖怪や祟りを原因にした非科学的なナンチャッテ推理小説だと思っていた。

実際は、覚醒状態の人間が催眠状態の人間を現実に誘導する物語であり。推理するためのヒントに民俗学や心理学、地域の伝承を取り扱っていた。非科学的な物語ではなかった。推理は科学だった。
文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

 
 
作者が物語を通して何を伝えたかったのかを考えてみる。
京極堂が行ったような、ひとつの解決法を提案している
 この物語では、目が覚めていても夢を見てしまう人物を中心に取り扱っている。主人公の関口君も、鬱症状を持つ人物で物語中に何度か催眠状態になっている。
 
この本で取り扱っていた催眠状態とは「過去に愛していた女性が知人男性の死体を隠しているのを目撃した。つまり犯人は彼女だ。」という結論に行かないように、自分で自分に催眠をかけて記憶を改ざんするというものだった。
そこに、科学的な知識を持った幽霊も妖怪も信じていない陰陽師こと京極堂が現れる。催眠で生じる矛盾を突くことで催眠状態を解き、事件は解決する。
 
このように催眠のせいで現実が見えなくなり。自分が抱えている本当の問題が分からなくて困っている人に対して夢を解く方法としていかかでしょうか?という作者からの訴えに思えた。
物語を押し付ける高慢さ
前に書いたブログ内容をベースに考えていく。
 
彼ら彼女らが生きるための理由は、催眠状態で成立する「自分以外、無意識の自分によって作られた都合のいい物語」にあった。彼ら彼女らはその物語を信じている限り正常で居られた。そこに京極堂が現れて現実を叩きつけて物語を破壊してしまう。物語を失った人たちは狂気に陥ってしまう。
 
 京極堂自身は死傷者を出してしまったことを後悔している。このことから察するに、作者自身もこの行為が正しいとは思っておらず。やむを得ない策として描いているのかなと想像する。
そうすると、親は子供の人生を縛って破滅させないで欲しいというメッセージが見えてくるかな。
物語が無くなってしまうこと
 京極堂による虚構の物語を奪う行為が危険だと感じた。物語を奪うと同時に彼ら彼女らは依代を失うわけだ。別の依代へ移り変わるように促す目線が短絡していたと感じた。
もちろん手遅れだったという見方もあるし。他人から送られる依代を簡単に信じるのは難しいという見方もある。*1親から送られた依代の方が安心感や信頼があるかもしれない。
こういう場合に、「そっとしておく」という手段もなかったのだろうかと考える。あの事件は、時間が経てば死体が見つかって警察の手で解決するものだった。関口くんが介入したことで死傷者を出してしまったとも言える。物語を奪おうとしてなくても、時として介入するだけでも同じような意味を持つのかもしれない。
 
話は変わるけれど、天動説を唱えた科学者が、宗教信仰者によって見せ者にされて処刑された経緯にも関連している。事実は広まる価値があるのだけれど、どうやって安全に理解してもらうのかを議論する的になると思う。生きる依代である信仰を覆すのは更に難しいだろうな。それとも諦めて必要な犠牲だと黙認してしまうか。出来たら多くの人がスムーズに変換できるようなテクニックがあれば良いな。
 
まだ考えたいので追記するかも。

*1:その場合は、やはり親から継承されている物語に問題があるか。